九州大学大学院医学研究院神経内科学教室

FROM the MEDICAL OFFICE医局より

2022年2月24日

2017年度

・第31回内科学会奨励賞 受賞 (第114回日本内科学会学術集会・講演会,2017年4月15日,東京)

「日本人多発性硬化症における皮質病巣数はHLA-DRB1*04:05により規定される」
篠田紘司,松下 拓也,中村 優理,眞﨑 勝久,栂尾 理,樋渡 昭雄,吉良 潤一

受賞者の声
米川先生、緒方先生、中村先生に引き続き4人目とのことですが、名誉ある内科学会奨励賞をいただきました。
日本人多発性硬化症患者さんにおけるMRI皮質病巣の意義を研究によるもので、さらに発展した研究も現在進行中です。
今後も患者さんに有意義な研究を心がけたいと思います。

・公益財団法人 中冨健康科学振興財団 平成29年度留学助成 受賞

篠田紘司

受賞者の声
2018年4月からのペンシルバニア大学ペレルマン医学大学院神経内科学多発性硬化症部門への留学につきまして、中冨健康科学振興財団から海外留学についての助成を頂けることになり、誠に光栄に思います。
同財団の設立目的である、健康増進に関する科学研究助成を行うことにより、国民の健康の維持・増進を図り、活力ある豊かな経済社会を実現するという財団理念に叶うような研究ができるよう日々精進いたします。

・公益財団法人 上原記念生命科学財団 平成29年度海外留学助成金リサーチフェローシップ 採用
・日本神経学会 2017年度日本神経学会海外派遣プログラム 採用

篠田紘司

受賞者の声
この度、ペンシルバニア大学ペレルマン医学大学院神経内科学への留学につきまして、歴史と名誉のある上原記念財団リサーチフェローシップと、日本神経学会が新たに創設した海外派遣プログラムへ採用を頂きまして、大変光栄に思います。
多発性硬化症を始めとする神経免疫疾患におけるヒト免疫学を最先端施設で学び、神経免疫疾患の新たな病態解明や新規治療開発を目指して精進致します。

・Travel Grant, MSParis2017 7th Joint ECTRIMS-ACTRIMS Meeting, Paris, France, 25-28 October 2017

「A distinct repertoire of the γδ T cell population is associated with disease severity of multiple sclerosis 」
Koji Shinoda, Guzailiayi Maimaitijiang, Yuri Nakamura, Katsuhisa Masaki, Takuya Matsushita, Ryo Yamasaki, Yasunobu Yoshikai, Jun-ichi Kira.

受賞者の声
ECTRIMS 2017 Travel Awardをいただき、大変光栄でした。
世界最大の多発性硬化症に関する学会で学んだことを日々の診療に活かして行きたいと思います。

・公益財団法人難病医学研究財団 平成29年度医学研究奨励助成事業(一般枠採択)

「パスウェイバーデン解析に基づく多発性硬化症リスク遺伝子の疾患多様性への寄与機構の解明」
磯部紀子

受賞者の声
この度は、このような歴史と栄誉ある事業へ、申請課題が採択される運びとなり、大変光栄に存じます。
難病と共に生活されている患者さんに少しでも還元できるものが得られるよう、一歩一歩研究に邁進致します。

・PACTRIMS Investigator Award, 10th Congress of PACTRIMS, 2017.11.23-25, Ho Chi Minh City, Vietnam

「Deviated Repertoire of ɤδT cells is Associated with Disease Severity of Multiple Sclerosis」
Maimaitijiang Guzailiayi, Koji Shinoda, Yuri Nakamura, Katsuhisa Masaki, Takuya Matsushita, Ryo Yamasaki, Yasunobu Yoshikai, Jun-ichi Kira

受賞者の声
このたび、PACTRIMS Investigator Award を受賞いたしましたので、謹んでご報告申し上げます。
ご指導いただきました吉良潤一教授、篠田紘司先生をはじめ、ご支援いただいた全ての方に深く感謝申し上げます。
今回の受賞を励みに、これからも新しいことを発信できるよう研究に邁進します。ご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします。

・Travel Grant, MSParis2017 7th Joint ECTRIMS-ACTRIMS Meeting, Paris, France, 25-28 October 2017

「Focal cortical astrocytopathy lesions with demyelination and inflammatory cell infiltrates in neuromyelitis optica spectrum disorder: a neuropathological study of eleven autopsied cases」
Shotaro Hayashida(林田翔太郎), Katsuhisa Masaki, Satoshi O. Suzuki, Takuya Matsushita, Ryo Yamasaki, Toshihiko Suenaga, Kazuya Takahashi, Toru Iwaki, Jun-ichi Kira

受賞者の声
NMOSD剖検11例の頭蓋内病変を解析し、これまで報告のない大脳皮質における炎症性脱髄病変を見出しました。
今回、Travel Grantを得て、学会報告をすることができました。学会で指摘された点を踏まえ、研究を続けて参ります。
御協力いただいたすべての方々に厚く御礼申し上げます。

「Distinct associations of cross-sectional spinal cord areas with clinical disability in Japanese patients with multiple sclerosis and neuromyelitis optica spectrum disorder with aquaporin-4-IgG」
Yuri Nakamura,Zhiwen Liu,Koji Shinoda,Takuya Matsushita,Akio Hiwatashi,Jun-ichi Kira

受賞者の声
ECTRIMS 2017 Travel Awardをいただき、大変光栄に存じます。
この学会で得たことを診療に生かせるように精進してまいりたいと思います。

・第29回日本神経免疫学会学術集会2017.10.6~7 日本神経免疫学会Young Investigator Award

「世界初の肥厚性硬膜炎動物モデル作成とTGF-βシグナルを標的とした新規治療法開発」
崔訳文、眞﨑勝久、山﨑亮、林田翔太郎、山口浩雄、兵藤文紀、江藤比奈子、米川智、松下拓也、吉田眞理、Malie Malissen 、Bernard Malissen 、吉良潤一

受賞者の声
本研究はLAT変異マウスが硬膜炎と進行性線維化を生じることを病理学的、放射線学的に初めて示し、TGF-βシグナルをブロックすることで硬膜炎症や線維化の進行を抑制できることを実験的に証明したものです。
今回頂いた受賞を励みに、肥厚性硬膜炎の病態解明や新規治療法開発の研究を進めたいと思います。

・日本多発性硬化症協会研究助成授賞

「日本人多発性硬化症患者に共通するT細胞受容体相補性決定領域に基づいた責任抗原エピトープの同定」
磯部 紀子

受賞者の声
この度、歴史ある日本多発性硬化症協会の調査研究助成を拝受いたしますこと大変光栄にに存じます。
少しでも患者さんの治療に繋げることが出来るよう、より一層研究に邁進いたします。

・The 4th MS summer college 2017 in Kobe Aug 5th, 2017 教育委員長賞受賞

「Astroglial (Cx30, Cx43) and oligodendroglial (Cx47) connexins modulate acute and chronic experimental autoimmune encephalomyelitis (EAE)」
Ryo Yamasaki(山﨑 亮), Fang Mei, Hayato Une, Zhao Yinan, Hiroo Yamaguchi, Jun-ichi Kira

受賞者の声
中枢神経系を形作る細胞は、神経細胞と非神経細胞(≒グリア細胞)に大きく分かれます。神経細胞とグリア細胞の数はほぼ同等で、グリア細胞はさらにアストログリア(40%)、オリゴデンドログリア(50%)、ミクログリア(10%)に分けることができます。
アストログリアやオリゴデンドログリアの細胞間伝達をつかさどるギャップ結合蛋白の一つ、「コネキシン」は、様々な神経炎症性脱髄性疾患で異常をきたしており、疾患の原因の一つと考えられています。
 私たちは、アストログリアやオリゴデンドログリア特異的にコネキシン蛋白の発現を低下させたコンディショナルノックアウトマウスを作成し、多発性硬化症のモデルである実験的自己免疫性脳脊髄炎(EAE)を誘導することで、コネキシンがEAEの病態、ひいては多発性硬化症の患者さんでどのような働きをしているか解析しました。
 その結果、アストログリアのコネキシン30や43の欠損はEAEを改善させる方向に働きました。
一方、オリゴデンドログリアのコネキシン47の欠損はEAEを悪化させました。
これらの結果は、コネキシンが中枢神経の炎症性脱髄疾患のメカニズムに深く関わっていることを示し、新たな治療標的としての可能性を強く示唆しておりました。
この度、このような名誉ある賞を受賞できましたのは、ひとえにこれまで基礎的な研究を地道に続けて来た教室員の皆様の努力の賜物です。
これからも、画期的薬剤の開発を目指し研究を続けてまいります。

・日本神経学会賞 診療/教育部門

「福岡県重症神経難病ネットワーク20年の活動」
吉良潤一ら

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